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2015年12月15日

【メディア掲載】車向け防錆剤を相次ぎ投入 米市場で提案強化

ディップソール 車向け防錆剤を相次ぎ投入 米市場で提案強化

化学工業日報 2015/12/15 4面
車向け防錆剤を相次ぎ投入 米市場で提案強化

2015年12月15日発行の化学工業日報の4面に弊社の自動車業界向け新製品および、その海外での展開に関する記事が掲載されました。


車部品向け 防錆剤を相次ぎ投入 米市場で提案強化

ディップソール金属表面処理剤メーカーのディップソール(東京都中央区、五十嵐幸子社長)は、自動車部品向け防錆剤を相次ぎ投入する。メッキ被膜にコーティングすることで、シングルマイクロメートル厚の薄膜でも耐食性向上や摩擦係数を制御する高耐食性トップコートを開発。今年から特定ユーザーに供給を開始した。また、一昨年発売した酸性の亜鉛ニッケル合金メッキ浴も採用を拡大している。大手ユーザーが集積する米国での提案に力を注ぎ、世界市場での拡販に努める。

同社は防錆処理剤を中心とした各種金属表面処理剤の製造販売を手掛けており、亜鉛メッキ薬品は国内4割、亜鉛ニッケル合金メッキ薬品では同7割のトップシェアを得ている。年商約100億円のうち約8割を自動車部品向けの防錆処理剤が占めている。米および独自動車メーカーの認証を有するのは日本の同業者では同社のみという。

自動車用途においてメッキが多用される電装部品は、エコカーの普及拡大にともないコンパクト化が進んでいるものの、ファスナーやブレーキ周辺部品は今後とも堅調な需要が見込まれている。同社は同部品を主対象に新製品の拡充を進めており、世界的な自動車メーカーが製造・開発拠点を置く米国市場での展開に力を注いでいる。

高い寸法精度が要求されるファスナー向けに、1~2マイクロメートルの薄膜でも高い性能を発揮するトップコート剤を拡充する。その一環として摩擦係数を制御するトップコート剤を開発した。

日本の自動車メーカーはファスナーの総合摩擦係数0.35を狙い値としており、通常トップコート剤を必要としない。これに対し海外メーカーでは0.08~0.15と低く設定している。同社は海外メーカーへ摩擦係数を低減するトップコート剤を提案することで、新規需要創出を狙う。

また、セラミックスナノ粒子の黒色複合被膜を形成し、メッキ被膜の耐食性と外観特性を向上させたトップコート剤も開発した。今年に入り一部二輪車部品メーカーへ供給を開始しており、複数メーカーでサンプルワークを進めている。来年末にもグローバルで本格発売する予定。車体軽量化のニーズに対応して、今後はアルミニウムやマグネシウム対応のトップコート剤も拡充していく。

海外自動車メーカーは、部品の高耐食性化に向けて従来の亜鉛メッキから亜鉛ニッケル合金メッキへの置き換えを進めている。アルカリ浴が主流だが、ブレーキキャリパーは鋳鉄製のためメッキ被膜が付かない。

これに対し、同社は酸性浴を開発した。一昨年、米大手自動車メーカーに採用されて以来、同メーカー系列のブレーキメーカーへの採用を拡大させている。さらに、他の海外メーカーをはじめ日本の自動車メーカーへの提案を加速する。


出典
発行日:2015年12月15日
新聞名:化学工業日報 4面
タイトル:車部品向け 防錆剤を相次ぎ投入~米市場で提案強化~
発行:株式会社化学工業日報社